マカロン 第4話 希望の芽

絵本『マカロン』

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マカロン達が長靴の中に落ちてから約3日が経とうとしていた。

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アップル「‥‥‥。」

グゥ「‥‥‥。」

ピィ「‥‥‥。この中に落ちてからどれくらい経ったかしら‥‥。」

レェ「‥‥さぁな‥。」

ピィ「‥‥‥。」

キィ「また皆んなで大声出してみようか?」

ブゥ「‥‥多分聞こえないよ。ずっと叫び続けたけど誰も助けに来ないし。」

キィ「‥‥‥。」

ピィ「あ、諦めちゃダメよ。きっと私達みたいに耳が良い子が助けに来てくれるわ。諦めたら助からないわよ。」

レェ「じゃあやりたいやつだけやれよ。」

ピィ「ちょっと、そんな言い方ないでしょ。ここから出たくないの?」

グゥ「ケンカはやめましょう‥。疲れるだけです‥。」

ピィ「‥‥‥。」

レェ「‥‥‥。」

ブゥ「‥‥‥。クスン、クスン‥。」

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アップル「‥‥‥。」

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その時。

ポツ、ポツ‥。

キィ「わ、雨だ!」

ピィ「そんな!どうしましょう。」

雨はどんどん強くなっていく。

グゥ「傘にできるような大きい葉っぱがどこかにあれば‥。」

雨水は長靴の底にあっと言う間に溜まっていく。

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レェ「くそっ!長靴の中に水が溜まってきてるぞ!」

ブゥ「ど、どうしよう。僕泳いだことなんてないよ。」

ピィ「そんなの皆んな一緒よ!」

キィ「足が冷たいよ〜。」

レェ「このままじゃ皆んな溺れちまうぞ!」

すると、ピィが一枚の大きな葉っぱが流れてくるのを発見した。

ピィ「あ!あそこにでかい葉っぱがあるわ!あの上に乗るわよ!」

5匹のマカロンとアップルは、水に浮かんでいた大きな葉っぱに乗った。

ザーッ!ザーッ!

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グゥ「寒いです〜。」

キィ「よ、酔っちゃうよ‥。」

レェ「おいグゥ!泣いてないでもっとくっつけ!じゃないと落ちてしまうぞ!」

ブゥ「ぼ、僕ブゥだよ。ゔぅ、ゔっ、ゔっ。」

5匹のマカロンとアップルは必死にしがみつく。

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アップル「頼むから早くやんで〜!」

ピィ「しっかりくっついて!落ちるわよ!」

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しばらくして、雨が止んだ。

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ピィ「‥‥うぅ‥。」

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ピィ「‥‥雨の水は‥‥?」

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起き上がるピィ。

ピィ「これは‥。」

次にアップルがゆっくりと起き上がる。

アップル「ピ、ピィ‥。よかった‥。皆んな生きてた‥。」

ピィ「雨水はどこにいっちゃったのかしら‥。」

アップル「土が吸っちゃったんじゃない‥?それにここ少しは陽が当たってるし。」

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ピィ「土‥?」

アップル「え、なに土も知らないの‥?ほらこれ。‥‥あれ?芽が出てる‥。」

ピィ「この葉っぱの事?」

アップル「そうだよ。あんた達が食べてる葉っぱはこうやって土から生まれるんだよ。」

ピィ「へぇ‥‥。凄いのね‥。土って‥‥。」

レェ「‥う、ゔぅ‥。皆んな生きてたか‥。」

ブゥ「し、死ぬかと思った‥。」

キィ「う〜。もうビショビショ‥。」

グゥ「皆さん無事で良かったです‥。」

次々に起き上がるマカロン達。

するとピィが。

ピィ「ねぇ。私達ここで生きていきましょう!」

アップル「‥‥えっ!」

ブゥ「え、え、え。な、何を言い出すの?」

グゥ「じょ、冗談ですよね。」

ピィ「この土とかってのがあればなんとか生きていけるわよ!」

レェ「‥お、おい‥。」

ピィ   ここは私達が生きてく世界なんだ。

  そう心に決めた私には、長靴の中の世界が今までと違うものに見えたような気がした。

  そして、どう生きていくべきか見えた気がした。

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第4話  希望の芽

おわり

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