キィとノエルを除いたピィ達4匹は、葉っぱの上へと進んでいた。
ピィ「あれぇ…おっかしいわねぇ…。」
ピィとブゥはクッキーの家があった場所にいた。
しかしそこには何も存在していなかった。
ブゥ「本当にここで間違いない?」
ピィ「えぇ確か…。この梯子の下だと思ったんだけど…。」
そこへ遠くの方からレェとグゥがやって来る。
レェ「おーい!!あったかー?!」
ブゥ「あ、レェとグゥだ。」
ピィ「いえ、見ての通り、何もないわ。」
グゥ「僕の住処だった葉っぱもなくなってました。」
レェ「オレんとこもだ。」
ピィ「そう…。」
悲しげな表情を浮かべるピィ達。
するとブゥが。
ブゥ「ま、まだ決まったわけじゃないよ!久々に来たんだから、葉っぱの場所も梯子も間違えてるだけかもしれないし。もしピィの家が間違いなくこの場所だったとしても、枝が古くなったから新しい所に建ててるかもしれないよ?」
ピィ「うん…。そうね、ありがとう!」
グゥ「ピィさん凄いですねぇ。家を持ってたなんて。」
レェ「全くだぜ。」
ブゥ「僕の住処なんて共用だったのに。」
ピィ「私の家じゃなくて友達の家よ。しょっちゅうお邪魔してたから誰の家かわからない状態になってたけど。」
レェ「それにしても不気味だな。ここに来るまで誰にも会わなかったぞ。」
ブゥ「僕達もだよ。」
その時ー。
ガサガサ!!
突然の物音に振り替えるピィ達。
レェ「な、なんだぁ?」
目線の先には3人の小人の子供が。
ピィ「小人?どうしてこんな所に?」
小人「それはこっちのセリフだ!何でお前ら昆虫がここにいんだ!?」
小人「虫はここに来ちゃいけないんだぞ!」
小人「長に言ってやろーぜ!」
ピィ「?ちょっと待って。どういう事?」
小人達に近づくピィ。
すると、小人の一人が持っていた木の枝を振り回した。
ピィ「わっ!!!」
枝を避けるピィ。
ピィ「何すんのよ危ないじゃない!!」
小人「うっせぇチビデブ!!さっさと出ていけ!!」
ピィ「何ですって!!!」
ピィの前にレェが出てくる。
レェ「お前ら下がってろ!オレがぶっ飛ばす!」
小人「うっ…。」
レェにおびえる小人。
グゥ「レ、レェさん!暴力は良くないです!」
その時ー。
小人の女の子「あなた達!何してるの?!」
突然小人の女の子が、ピィ達と小人達の間に入ってきた。
小人「あ、ココアだ。」
小人の女の子の名前はココア。
小人「こいつらここは虫達が来ちゃダメなとこなのに入ってきたんだ。」
ココア「だからって暴力はダメよ。あなた達も…。」
ピィ達の方を見たココアはハッとする。
ココア「!!!あ、あなたは…。」
レェ「なんだ?」
ココア「あの時の…!」
ピィ「はい?」
ココア「緑の方!」
ココアはグゥに向かって問いかける。
グゥ「へ?僕ですか?」
ブゥ「知り合い?」
ココア「昔あなたに葉っぱをお裾分けしてもらった足の悪い小人!覚えてない…?あ、あの時はごめんなさい。あなたの葉っぱ盗んでしまって…。」
グゥ「…あっ。あ~~!あの時の!」
ブゥ「もしかして昔話してた小人の女の子?」
グゥ「そうみたいですぅ。いや~。びっくりしました。見違えましたねぇ。顔色も良くなって。」
ココア「突然姿を消したから…どこに行っちゃったんだろうと思って…。」
グゥ「あはは。ちょっといろいろありましてね。」
小人「ココアの知り合い?」
ココア「そう。緑の虫さんは昔私に葉っぱを分けてくれてたの。まさかこんなに兄弟がいたなんて。」
レェ「兄弟じゃねーよ。」
ピィ「あのさ、盛り上がってるとこ悪いんだけどちょっといい?ここは小人の住処って本当?」
ココア「?そうだけど。」
小人「だから言ってるじゃねえか!さっさと出て行け!」
グゥ「ココアさん、昔ここは虫の住処でしたよね?僕達わけあってベビーリーフを離れていたので事情がわからないんです。いつからここは小人の住処になったんですか?」
ブゥ「虫達の住処はどこにあるの?」
ココア「ちょっと昔に小人が長になったの。長の命令で、小人と虫の住処が入れ替わったの。」
レェ「小人が長ぁ?」
小人「え?住処入れ替わったの?小人は今虫がいるとこで住んでたの?」
ココア「そうよ。あなた達はまだ生まれたばかりだっただろうから知らないかもしれないけど。」
ブゥ「えっと…、僕たちがいた時の長って誰だっけ?その次の長も確か決まってて、虫だったような気が…。」
ピィ「なんちゃらヂィって名前じゃなかった?」
レェ「そうだそうだ。すっげー性格悪いっていう。」
ココア「ポテヂィよ。でも、小人の子が太陽の妖精を捕まえて、その子が新しい長になったの。」
ピィ達「!!!!!」
表情が一変するピィ達。
レェ「…アップル…!」
ピィ「捕まえたって?!アップルはどこにいるの?!」
ココア「え?アップルって?」
グゥ「太陽の妖精の子の名前です!どこにいるんですか?!無事なんですか?!」
ココア「どこって…。どうしたの?そんなに慌てて…?」
小人「ココア!こいつら太陽の妖精の仲間だ!」
ココア「……そうなの?緑の虫さん…?」
グゥ「そうです!アップルさんは僕達の友達です。だからアップルさんがどこにいるのか教えてください!」
ココア「……。そんな…。」
ショックを受けたような表情のココア。
小人「長に知らせよう!太陽の妖精の仲間が来たって!」
小人「太陽の妖精を連れ戻しに来たんだ!」
ブゥ「…ね、ねぇ。なんか様子が変じゃない?まるで僕達悪者みたいな…。」
小人「悪者だろ!太陽の妖精の仲間なんだから!」
小人「長の所に連行だー!」
小人「ほら!早く歩け!」
ブゥ「ちょっと、離してよお!」
小人に捕まるブゥ。
レェ「おい!!離しやがれ!!」
別の小人に木の枝でつつかれるグゥ。
グゥ「あいたたっ!やめてくださいよぉ。」
ピィ「グゥ!ちょっと何すんのよ!!おどき!!」
するとココアが小人達を注意する。
ココア「……!だ、ダメよあなた達そんな事しちゃ…。」
小人「ココアなんでこいつらの味方すんだよ?」
ココア「それは…。」
その時だった。
ノエル「皆んな!!」
ピィ「ノエル!」
ピィ達の前にノエルが現れた。
ノエル「これはいったい…。」
小人「なんだ?初めて見る小人だぞ。お前知ってるか?」
小人「いいや。」
ノエル「皆んな…何があったんだ?」
ピィ達の元へ駆け寄ろうとするノエル。
ブゥ「あぁ…ノエルくん…。こっち来ちゃダメ…。」
ノエル「えっ?」
レェがピィに耳打ちする。
レェ(おいっ!どうする?ますますややこしくなりそうだぞ?)
ピィ(もうノエル共々長の所に行くしかないわ。私達だけじゃ相手にされないかもしれないけど、同じ小人のノエルならどうにかなるかもしれない。ベビーリーフの事も話して、アップルの事も直接聞き出しましょう。)
レェ(そうだな…。)
ピィは小人達に言う。
ピィ「その小人も私達の仲間よ!さぁ早く長の所へ連れてって!」
小人「なんだって?!」
小人「マジかよ。」
小人「おい!やったな!俺達大手柄だ!これで次の長は俺達の誰かだ!」
ノエル「ピィ、何があったの?」
ピィ「ざっくり話すと小人と虫の住処も立場も逆になっちゃったの。」
ノエル「…そうか。僕の昔の住処に虫の子供達がいて同じ事を言ってた。」
グゥ「小人の子がアップルさんを捕まえて長になったのが理由みたいです。」
ブゥ「それで…僕達がアップルの仲間だから悪者だって言うんだ。」
ノエル「なんだって?!小人が?!アップルを捕まえた?!」
小人「おい、早く歩け!お前も長の所に連れてってやる!」
ノエル「いったい誰が…。誰がアップルを捕まえて長になったんだ?!」
小人「ボネだよ。」
ノエル「え…?」
小人「ほら早く歩け!」
ピィ「ボ、ボネって…確か…。」
レェ「…ノエルの友達だよな…?」
ノエル「………。」
驚きを隠せない様子のノエル。
グゥ「ノエルくんの友達なら話は早いです。ボネくんに会って全てを話しましょう。」
ブゥ「そ、そうだね。友達だし、きっとわかってもらえるよ。」
ノエル「う、うん…。」
第22話 時の流れ
おわり
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