マカロン 第33話 新しい世界

絵本『マカロン』

ピィ『ベビーリーフが消滅してしばらくの月日がたった。
小人と虫、妖精達は新しいベビーリーフを作っているわ。』

キィ『ここはバームクーヘン学校だよ~。ノエルが先生で、小人や虫達、ついでにナッツ達と一緒に何かやってるよ~。今日は粘土でなんか作ってるみたい。』

ノエル「ブラウニーくん何作ってるの?」

ブラウニー「飛行木です。」

小人「お前またそれかよ~。」

ブラウニー「僕は飛行木を作って飛べない生き物たちの手助けをしたいです。」

クリープ「ブラウニーすげ~。」

ブラウニー「ふふん。」

ノエル「それならお年寄りや体の弱い生き物達が助かるね。僕も飛行木で空を飛んでみたいな。マフィンちゃんは何作ってるの?」

マフィン「私はバームクーヘン!はいノエル、あーんして!」

ノエル「えっ、えっ?」

ブラウニー「むっ。」

グミ「ぐひっ。」

マフィン「もうノエルったら照れないでよっ。」

ナッツ「まーったく…。」

コンコン(ノックの音)

ミルク「あ、アップルよ。」

アップル「こんにちはー!キッチンマカロンでーす!給食を届けに来ました!」

ノエル「やぁアップル。配達ご苦労様。」

アップル「いいえー!」

ブラウニー(ぽっ。)

クリープ「ブラウニー顔赤いぞ。熱でもあるのか?」

小人「今日の給食なに?」

ミルク「いいにお~い。」

アップル「今日はりんごと蜂蜜が隠し味のカレーよ!」

マフィン「わあ~~!」

アップル「じゃっ、私次の配達があるからもう行くわね。後で感想教えてね。」

ノエル「ありがとう。」

ブゥ『アップルは僕達のお店の配達員をしてます。ノエルくんの学校に給食を届けたり、皆んなにお弁当を届けたり、毎日元気に飛び回ってるよ。』

アップル「あらクッキーこんにちは。」

クッキー「おぅアップル。」

アップル「屋根の修理?」

クッキー「あぁ。雨漏りしちゃってたからな。丁度石が手に入ったからもうちょっと頑丈な造りにできそうだ。配達頑張れよ。」

アップル「クッキーもね。じゃっ!」

グゥ『クッキーさんは大工さんというお仕事をしてますぅ。材料を集めて皆んなのお家や雑貨を作ってくれてます。凄いですよねぇ。』

アーモンド「ほら、もっと腰を落とす!」

小人「ぜぇ、ぜぇ。」

虫「そ、そろそろ休憩しようぜ…。」

アーモンド「そんなんじゃ明日子供達と作業した時に笑われるわよ。」

レェ『アーモンドはベビーリーフの住民達に畑仕事を教えてるぜ。たまにノエルの学校の子供達にも教えてるんだ。ちなみにあのメガネはアーモンド相手には顔赤くならなかったぜ。』

アップル「こんにちはー!キッチンマカロンでーす!お弁当届けに来ました!」

アーモンド「あらアップル。ご苦労様。」

虫「やった!飯だ!」

アーモンド「まーだーよ!キリが良いとこまでやってからにしなさい。」

虫「うう…。」

アーモンド「昨日のお弁当どうだった?」

小人「エッグエッグチーズサンドだろ。殻が入ってたぜ。」

アップル「うそ!」

小人「でも味は美味かったぜ。」

アーモンド「ブゥはともかく、あの子達不器用なのによく料理店なんてやろうと思ったわね。」

アップル「食べるのが好きだからって言ってたわよ。おかげでまた太ったみたいだけど。」

アーモンド「やっぱり。」

ピィ『そして私達5匹のマカロンは長靴の世界フェアリーホイップで、キッチンマカロンっていう料理店をやってるの。』

キィ「新しく注文入ったよー!ハッピーキャロットプリンと夢のフラワーサラダとエッグエッグチーズサンド2人前!」

ピィ「オッケー任せて!」

キィ「あと昨日卵の殻が入ってたから気をつけてだって!」

レェ「ぎくっ。」

グゥ「ココアさん、皿洗い終わりましたか?」

ココア「えぇ。新しい食器が増えたのね。」

ブゥ「子供達が作った食器だよ。うちで使う事になったんだ。」

ココア「これはマフィンが作ったのかしら。ほら、これマフィンとノエルの似顔絵じゃない?」

ブゥ「ああ本当だ。」

レェ「あのメガネにそれ使わせようぜ。」

ブゥ「もぅレェったら。」

グゥ「その器はブラウニーくんですかねぇ。翼がついてます。」

ココア「本当だわ。…この青いのはもしかしてボネかしら?」

グゥ「もしかしたらそうかもしれませんね。ボネくん青が好きですものねぇ。」

ブゥ「ボネくんはいつもの葉っぱの上?」

ココア「ええ。最近凄い楽しそうにしてるわ。」

ピィ「ココア、明日から包丁握ってみましょ。」

ココア「本当?」

ピィ「出来る事が多い方が楽しいでしょ。ココアの方が指長いし綺麗に切れるわよ。」

ココア「わあ、楽しみ。」

ピィ『ノエルとボネは仲直り。ココアも嬉しそうにしてるわ。ココアは女の子だけあって細かいとこに気がきくわ。このままベビーリーフの調理師になってもらいたいわね。ボネは良く1人で絵を描いてるわ。最初はココアと一緒に料理店で働いてたんだけどね。絵を描く方が楽しかったみたい。クッキーが作った建物に色を塗ったりもしてるのよ。よく笑うようになって安心したわ。』

その日の夜ー。

レェ「はー疲れた疲れた。」

ノエル「皆んなお疲れ様。」

ピィ「しっかしこんなに動いてるのに何で痩せないのかねぇ。」

キィ「食べてるからだよ。」

長靴の上で星を眺めながら会話をする5匹のマカロンとノエル。

ブゥ「ノエルくんマフィンちゃんが可愛いコップ作ってたよ。」

ノエル「ん?ああ。見たよ。」

レェ「お前も男としてはっきりしねえとダメだぞ。メガネの為にも。」

ノエルをからかうレェ。

グゥ「ノエルくん明日は学校お休みなんですってね。」

ピィ「そうなの?ならご飯食べに来なさいよ。」

ノエル「あ、ごめん。明日はボネと遠くまでキノコ採りに行く約束してるんだ。また別の機会に食べに行くよ。」

ピィ「あらそう。」

ブゥ「ボネくん元気になって良かったね。」

ノエル「うん。ありがとう。皆んなのおかげだよ。」

ピィ「私達は何もしてないわよ。ちょっと面倒見ただけで、あとはあんたが長靴からぐいぐい引っ張り出してたでしょ。」

グゥ「このまま平和な世界が続いて欲しいですねぇ。」

ピィ「生き物が生きてる限り争いは生まれるからね。」

キィ「そういう時は美味しいもの食べれば良いんだよ。幸せになれるよ。」

ピィ「全くその通りよ。」

ノエル「星が綺麗だ…。」

ピィ『新しく作り上げたこの世界がずっと平和であるように、

この世界から憎しみや悲しみが無くなるように、

実現できるように皆んなで頑張りましょ。

もちろんダイエットもね。

めでたしめでたし。』

最終話 新しい世界
おわり

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