星のティコ 最終話 見守っててね

絵本『星のティコ』

◆前回のあらすじ◆

星の舞踊会『希望の祭典』が開催された。

アルファーは町長へ、ティコはロアンへ想いを届けた。

ロアンはティコとベガが生まれ変わった両親である事を知った。

ある日のコンフェイト。

1人墓参りをするロアン。

そこへ町長がやって来た。

町長「ロアン…か?」

ロアン「町長…。」

町長「びっくりした。髪切ったのか?…隣、良いか?」

ロアン「はい。」

町長は持っていた花を、ロアンの両親の墓に供えた。

町長「ロアン…いろいろすまなかったな。」

ロアン「いえ…。私の方こそ…。」

町長「……良い…歌だったな…。」

ロアン「はい…。」

町長「あの少年…。お前の父親の小さい頃にそっくりだったな…。」

ロアン「……はい…。」

町長「お前に会いに来てくれたのかもな。」

ロアン「……はい…。……あの、町長。」

町長「ん?」

ロアン「私、この街が活性化するように一緒に考えます。まだ子供だから…役に立たないかもしれないけど…。この街は、お父さんとお母さんが愛した街だから…。私を産んでくれた街だから…。」

町長「ロアン…。」

町長「ありがとう。」

その頃星の界ではー。

星達「カンパーーーイ!!!!」

星達の舞踊会の打ち上げが行われていた。

トナ「いやー、いろいろあったけど無事終わって良かった。」

ミザール「本当ね。また地上に近い空でやるのも良いかもね。」

プロキオン「賛成〜!その方が地上の生き物達も喜ぶしね。」

ベガ「そういえばミューは?」

プロキオン「まだ化粧してるみたいだよ。」

ティコ「…あ…!」

ティコは1人離れたとこにいるアルファーのもとへ。

ティコ「あ、あの…アルファー。僕の代わりに歌ってくれてありがとう。」

アルファー「ふんっ。お前の為に歌ったんじゃない。」

ティコ「う、うん。また…舞踊会頑張ろうね。誰かの為に…。」

アルファー「……ふんっ。」

そう言ってアルファーはティコのもとから去っていった。

するとー。

ベガ「ティコ!」

ティコのもとへベガがやって来た。

ティコ「ベガ、どうしたの?」

ベガ「今ね、コンフェイトの声を聞いてたの。今回の舞踊会に感動して、また来ようって観光客の声が沢山聞こえたの!」

ティコ「本当?!良かったあ。町長さん喜ぶと良いな…。」

ベガ「…ロアンも元気そうだったわ。」

ティコ「ロアン…。良かった…。」

ベガ「不思議ね。私、琴立を探しに行ったはずなのに、何だかあの子に会う為にコンフェイトに行ったんじゃないかって思ってるの。」

ティコ「うん…。僕も…。」

ベガ「ティコ、次の舞踊会も一緒に頑張りましょ!」

ティコ「う、うん!」

その日の夜、星空を見上げるロアン。

ロアン「私の初恋はお父さんだったか…。」

ロアン「…ふふっ。お父さん、お母さん、私…頑張るよ。だから…ずっと見守っててね。」

最終話 見守っててね

おわり

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