マカロン 第10話 生命の声

絵本『マカロン』

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アーモンドとナッツに出会ってから初めての朝。

アーモンド「…う……。朝ね…。」

ナッツ「むにゃむにゃ…。」

アーモンド「あんた達朝よ!起きなさい!」

アーモンドに叩き起こされるナッツ達。
アーモンドはナッツ達を起こした後、ピィが作った家へ向かう。

アーモンド「こっちもまだ寝てたか!あんた達起きなさい!」

グゥ「むにゃむにゃ…。デブでなにが悪いんですか…。」

レェ「う~ん…うっせえな…。」

アーモンド「起ーきーなーさーい!!!!」

アーモンドの大声でやっと起き上がるピィ達とアップル。

今日からベビーリーフの住民を避難させる為の葉っぱ作りが始まる。
アップルにはアーモンドが。
ピィ達5匹にはナッツ達がそれぞれ付き添って作業を行なっていた。

ナッツ「よいしょっと。」


ピィ「何してるの?頭痒いの?」

ナッツ「種をまくんだ。」

ナッツはそう言いながら頭から種をいくつか取り出し、土にまき始めた。

ピィ「種って何?食べ物?」

ナッツ「これを土に植えて育てれば、花や食べ物が生まれるんだ。ほら、黙って見てないで土を被せな!」

ピィ「わかったわ!」

土を被せるピィ。

ピィ「これで良いの?んで、これだけで何?これが花に変わっちゃうわけ?」

ナッツ「あ~も~よく喋るなお前は。」

その頃レェは、土を長い溝になるように掘っていた。

ナッツ「おい!たるんでるぞお前!もっとシャキシャキ動け!」

レェ「ちっ。アップルといい、何でお前ら妖精は生意気で口が悪いんだ。」

ナッツ「お前だって口悪いだろ!」

レェはため息をついた後座り込み、ぼんやりとする。

ナッツ「こら!なんで座る!サボるな!」

レェ「…はぁ…。…何やってんだろうなぁ…オレ。」

ナッツ「ん?」

レェ「ここに閉じ込められて、必死に穴を開けて、やっと帰れると思ったらそれもできなくて…。今度は葉っぱを育てるってか…。」

ナッツ「…。でもやるしかないぞ。やらなきゃ先に進まないだろ。」

レェ「……。あーー!!もう考えんのやめた!!やりゃあ良いんだろ!やりゃあ!もうガムシャラに突き進むぞ!!」

凄まじい勢いで土を掘っていくレェ。

ナッツ「お、なかなかの力と体力じゃないか。その調子だ。」

その頃、グゥはレェと同じく土を掘る作業をしていた。

ナッツ「ふむ。お前真面目だな。力や体力はあんまなさそうだけど。」

グゥ「そうですか?へへ~。あぅ!」

転びそうになるグゥ。

ナッツ「…ちょっと鈍臭いけどな。やっぱり葉っぱの住民が心配か?」

グゥ「そうですね。ベビーリーフがなくなるショックはもちろんありますけど、それ以上に住民が心配で…。僕、ベビーリーフに住んでた時に気になっていた子がいたんです。凄いおとなしくて、足の悪い子で…。」

ナッツ「なんだ?好きなやつがいたのか?このぅっ!」

グゥ「いいえ~。そういうのじゃないですよ~。はぅ!」

その頃ブゥは、生活に必要な小道具を作っていた。

ナッツ「ここをこうやって、そしたらくっつけるんだ。」

ブゥ「う~んと…。こう?」

ナッツ「そうそう。なかなか器用じゃん。」

ブゥ「え!そ、そうかな?ベビーリーフにいたころ葉っぱで何か作って遊んだりしてたからかな。」

ナッツ「ははっ!お前友達いなそうだもんな。」

ブゥ「う………。」

そしてキィは草むしりをしていた。

ナッツ「昨日よりは元気か?」

キィ「元気じゃない。」

ナッツ「随分はっきり言うな。あのピンクのが言った通り、やれる事をやってれば良いんだ。何もやらないでめそめそしてるよりは良いだろ?」

キィ「そうだね。でもすぐには元気出ない…。自分のふるさとだもん。」

ナッツ「そうか…。」

その頃アーモンドとアップルは。

アーモンド「あの子達元気出たかしら?」

アップル「わかんない。すぐには無理だと思うけど。」

アーモンド「そうよね。しかし、ベビーリーフの住民がどれくらいいるのかわからないけど、あれと同じサイズの葉っぱが作れるかしら。あの葉っぱは何の葉っぱだったかしら…。」

アップル「とりあえず沢山あれば良いんじゃない?」

アーモンド「そういえば羽の具合はどうなの?」

アップル「だいぶ良くなってきたわ。でもまだ飛べないの。」

アーモンド「早く空に戻りたいでしょ?」

アップル「……うーん…。そうでもないわ…。」

アーモンド「?」

数週間後ー。

グゥ「ここです、ここ。ここの土から何か音が聞こえるんです。耳を当ててみてください!」

皆んなを呼び出すグゥ。

土に耳を当てるキィ。

キィ「ほんとだ!なんか聞こえる!」


ナッツ「え~。何も聞こえないよ?」

アーモンド「まさか……。掘ってみましょう。」

土を掘ってみるアーモンド達。

するとー。  


ブゥ「わぁ!な、なにこれ?」

アーモンド「やっぱり…。でもこんなに早くできるなんて…。」

ナッツ「久々のじゃがいもだ~!」

ピィ「何それ?!食べ物?!」

アーモンド「そうよ!そうだわ、今日はこれを使ってスープを作るわ!皆んなで食べましょう!」

アップル「わ~い!」

キィ「ねぇそれっておいしいの?なんか汚いよ?」

アーモンド「土は洗い落とすのよ!すっごい美味しいんだから。食べてみたらわかるわよ!」

レェ「な、なあ別の場所にも耳を当てて掘ってみようぜ!他にも食い物が出てくるかもしれねえ!」

ピィ「そうね!」


ピィ「……え…?」

ブゥ「ねぇ!こっちもじゃ…なんとかっての出てきたよ!」

グゥ「…?ピィさん、どうしたんですか?」

ピィ「なんか声が聞こえたような…。」

キィ「そこにもじゃなんとかってのあるんじゃない?」

ピィ「ううん、そうじゃなくて…。」

アーモンド「今日は思いがけない収穫祭ね!さ、スープ作るから手伝って!久々にまともなご飯が食べれるわ!」

アップル「私料理苦手…。」

キィ「あたしは得意だよ!葉っぱちぎって蜜と混ぜたのが得意!」

ナッツ「それ料理なのか…?」

その日の夜、アーモンドとナッツに料理を教わるピィ達。
ブゥが作った食器で出来上がったスープを口にする。


キィ「わあ!おいしい!おいしい!何これ!」

レェ「意外にうめえじゃねえか!」

グゥ「感動です~!」

ブゥ「こんなおいしいの初めて食べたよ!」

アップル「あんた達りんご食べた時も同じような事言ってたわよね。」

ナッツ「葉っぱばっか食べてっから…。」

ナッツ「ナイフ見て『何これ?』ってとっからスタートだもんな…。」

ナッツ「汚ねえ食い方…。スプーン使えよ。」

アーモンド「ふふっ。おいしいものは皆んなを幸せにするわね。この調子で明日からも頑張るわよ!」

グゥ「ピィさん、さっきから具合悪いんですか?」

浮かない表情のピィを気にかけるグゥ。

レェ「食べねえんならもらうぞ。」

ピィ「いいえ!おいしいわよ!ちゃんと全部食べるわ!」

ピィ(さっき聞こえた声…。なんだか悲痛な感じだった…。ベビーリーフから聞こえたのかしら…。なんだかわからないけど…待っててね…。)

第10話  生命の声
おわり

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