3人の子供の小人に連れられ葉っぱの上層部に来た4匹のマカロンとノエル。
小人「長の家ってどこだ?」
小人「上の方って聞いたぞ。」
小人「上ってどこだよ。いっぱいあるじゃん。」
すると、一人の青年の小人に遭遇した。
青年の小人「なんだお前たち?ここは子供の来る所じゃないぞ。」
小人「あ!フランだ!見ろよ、俺たち太陽の妖精の仲間を捕まえたんだ。」
ノエル「えっ。フラン…?」
小人「ほら、こいつらだ!」
青年の名前はフラン。
ノエル「フラン!」
フラン「ん?なんだお前?見かけない小人だな…。」
ノエル「僕だ!ノエルだ!昔同じ葉っぱの上で住んでいたノエルだよ!」
フラン「…ノ…エル…?ノエルって…あのノエルか…?」
ノエル「そうだよ!」
フラン「お前…今までどこ行ってたんだよ!とにかく…無事だったのか…!ハハッ!マジかよ!ちょっと待ってろ、ボネを呼んでくる!」
ノエル「ごめん、いろいろあって…。ボネ…ボネもここにいるんだね?」
久しぶりの再会にフランとノエルは笑顔が溢れる。
すると奥からもう1人別の小人が現れた。
「どうした?ずいぶん騒がしい声が聞こえたけど。」
フラン「ああ!ボネ!ちょうど良かった!ほらっ!ノエルだ!ノエル!ノエルが帰ってきたよ!!」
ボネ「………え…?」
奥から現れた小人はボネだった。
ノエル「………ボネ…?」
ボネ「ノエル……?ノエルなの……?」
ノエル「……ボネ…。」
ノエルはボネの元へ走っていく。
ノエル「ボネ!!!会いたかった…会いたかった…。」
ボネ「ノエル…。本当にノエル…?無事だったんだ…。」
ノエル「ごめんね…。突然置いてって…ごめんね…。」
ボネ「ううん…。良かった…良かった…。帰ってきて…。無事で…良かった…。」
ノエルとボネは共に涙を流した。
グゥ「ノエルくん良かったですねぇ…。」
ブゥ「そうだね。」
すると小人の子供達がー。
小人「長!こいつら太陽の妖精の仲間達だ!その小人もそうだ!」
ボネ「え?」
フラン「どういう事だお前達?」
フランは小人達に問う。
ピィ「ちょっと待って話を聞いて!」
ノエル「皆んな、ごめん。ボネと2人で話したいんだ。いいかい?」
ピィ「えぇ。」
ノエルはボネを連れて葉っぱの奥へと消えていった。
フラン「お前達は自分の住処に帰りな。この虫達は俺が預かるから。」
フランはそう小人達に告げた。
小人「なあ、これで今度の長は俺達にしてくれよな?」
フラン「それはボネ次第だけどな。一応頼んどいてやるから。」
小人「頼んだぞ!」
小人の子供達は満足げな顔で帰っていった。
ボネと2人きりになったノエル。
ボネ「本当にノエルなんだ?まだ信じられないよ。」
ノエル「僕もだよ。」
ボネ「ノエル凄い背伸びたね。俺よりずっと大きいや。まぁ俺がチビなだけなんだけど。」
ノエル「ボネ…。僕はいなくなったあの日、長靴の中に落ちたんだ。」
ボネ「ん?あぁ、知ってるよ。太陽の妖精に捕まってたんだろ?」
ノエル「え?」
ボネ「長靴から光が出ているのを目撃した小人が俺を含めて数人いたんだ。ノエルはきっと太陽の妖精を追いかけて長靴に落ちたんだろう…と思った。大丈夫、太陽の妖精は俺が捕まえたよ。でも…それでもノエルは戻って来なかったから…。一体どうなってしまったのかと…。」
ノエル「ボネ、待って。太陽の妖精は悪者じゃないよ。さっき一緒にいた虫達も。」
ボネ「え?」
ノエル「太陽の妖精も、あの虫達も、長靴の中で一緒に過ごした大切な友達なんだ。太陽の妖精はどこにいるんだ?無事なのか?」
ボネ「………ノエル…。何言ってるの?どうしちゃったのさ。」
ノエルの言葉に同様するボネ。
ボネ「友達って……。太陽の妖精は俺達から光を奪ったんだぞ?そのせいで俺達は葉っぱを失って、ずっと辛い思いをしたんだぞ?虫達だって、俺達にどんな酷い事をしてきたか…。あいつらのせいでどれだけ苦しかったか…。そんなやつらが友達って…どうしちゃったんだよ。」
ノエル「ボネ落ち着いて。…………ボネ?」
頭を抱え、苦しそうな表情のボネ。
ボネ「待って…。…長靴の中で…何?洗脳でもされたのか?!目覚ませよ!どうしちゃったんだよノエル!あんなやつらが友達ってさ!」
怒りのあまり震えるボネ。
ボネ「俺は……。お前を助けるために…。どれだけ…。」
ボネ「俺と太陽の妖精どっちの味方なんだよ…?」
ボネの様子に戸惑うノエル。
ノエル「…僕はボネも太陽の妖精も同じくらい大事だ。」
ボネ「……。何言ってるかわかんねえよ…。」
ノエル「ボネ…。」
ボネ「お前を助けるために俺は地獄にいたっていうのに…!」
ボネ「もういいよ…。顔も見たくない…。」
ノエル「……!ボネ、待って!まだ話したい事が…!」
フラン「ボネ!」
フランがノエル達の前に現れた。
フラン「ノエル…帰ってくれ。それ以上ボネを傷つけないでくれ。」
ノエル「フラン…。」
レェ「ちょっと待てよ!ちゃんと話聞けよ!」
フランに続いてやってきたレェ達が間に入る。
グゥ「ボネくん、ノエルくんはずっと君の事を心配してましたよ。」
ブゥ「そうだよ!太陽の妖精も友達だし、どっちの味方とかじゃないんだよ!」
ピィ「太陽の妖精と私達はあんた達の為に葉っぱを育ててたのよ!」
ボネ「うるさい!虫は黙ってろ!」
近づいてきたピィを突き飛ばすボネ。
ノエル「ピィ!」
ピィを心配したノエルの様子を見るボネ。
ボネ「お前も早くその虫達と一緒に出て行け!長靴の中に帰れ!!」
ノエル「ボネ…。」
ボネ「何そんな傷ついた顔してんだよ!俺が…俺がいったいどんな思いをして……。」
ボネはフランに命令する。
ボネ「…フラン、そいつらをそっから突き落として…。」
フラン「え?あ、ああ…。」
ピィ「ちょっと!私達はともかく友達のノエルを突き落とすなんて何考えてんのよ!」
ボネ「…もう友達じゃないよ…。」
ピィ「………っ。」
ボネの捨てゼリフに言葉を失うピィ。そしてショックを受けるノエル。
ブゥ「わあああああ!」
グゥ「ブゥさん!」
ブゥがフランに突き落とされた。
次にグゥ、レェが突き落とされた。
フラン「ノエル…じゃあな…。」
ノエル「…………。」
ノエルはなすすべなく、ピィと共に突き落とされた。
フランと2人きりになったボネ。
ボネは何も言葉を発する事なく、ただ呆然と立ち尽くしていたー。
ボネ「ノエル!」
ボネ「ノエル、一緒に太陽の妖精捕まえにいこうね。」
ボネ「もう友達じゃないよ…。」
ノエル「う、うぅ…。ボネ…。ボネ…。」
キィ「あ、ノエル!やっと起きた!」
ノエル「キィ……?」
グミ「グ~ゥ、グ~ゥ…。」
目を開けると、グミを抱えたキィがノエルを覗き込んでいた。
ノエル「あれ…?ここは…?…ボネは?あれは…夢?」
ノエルの周りにはピィ達もいた。
空はすっかり暗くなっていた。
レェ「残念ながら夢じゃないぜ。突き落とされて今まで気絶してたんだ。」
キィ「大丈夫?うなされてたけど…。」
グミ「ぐう、ぐう…。」
ピィ「あんな事があったんじゃ無理もないわね…。」
ノエル「…そうか…。…夢だったら良かったのにな…。」
グゥ「ここは虫の子達の住処みたいです。」
ノエル「えっ。」
起き上がったノエルの目線の先には、マフィンとブラウニーがいた。
ノエル「…あれ…!君達…!」
ピィ「私達が突き落とされた場所にあの蜂の子が現れてね。ここにいていいよって言ってくれたの。」
ノエル「そうか…。ありがとう…マフィンちゃん…、ブラウニーくん…。」
マフィン「ううん!ノエルのためだもの!」
ブラウニー「むっ。」
キィ「最初に会った時とずいぶん態度違うじゃん。それよりノエル何があったの?こっから先は小人の住処だろうからって、あたしとグミを置いていなくなった後…。長に突き落とされたってどゆこと?」
下を向いたままのノエルの頭にボネの言葉が蘇る。
ボネ『もう友達じゃないよ。』
ノエル「…………。」
レェ「キィ、今はそっとしておいてやれ。」
キィ「へ?あ、うん。」
マフィン「それにしても酷いわね!そこの太ってる虫達はともかく、ノエルを突き落とすなんて!なんてやつ!」
ブラウニー「運が良かったですね。落ちた場所がここで。ここは下の葉の中でも日当たりが良い場所なので葉の状態が悪くないんです。」
マフィン「私達子供にこの葉っぱを与えてくれたから、てっきり優しい長だと思ったのに。」
ブゥ「でも、僕あのボネって子悪い子に思えない…。ここの葉っぱにうまく落ちるようにそこから突き落とせって言ったんだと思う…。フランて子も…そんな乱暴な突き落とし方じゃなかったし…。思い込みかもしれないけど…。」
グゥ「……えぇ。」
ノエル「……そうだよ…。ボネは悪い子なんかじゃない…。僕がもっとちゃんと話ができてれば…。ピィ達も…すまない…。」
ピィ「ノエル…。」
レェ「ノエルが鈍臭いのは昔からわかってるから気にするな。」
ブゥ「レェったら…。ねぇ、これからどうする…?」
レェ「長靴の中に帰っちまうか?」
ピィ「コラッ!それじゃ戻ってきた意味ないでしょ!」
その時だったー。
ガサガサ
マフィン「誰っ?」
グゥ「…あれっ?ココアさん…。」
虫の子達の住処にココアが現れたー。
第23話 絶交
おわり
コメント