久々に葉っぱの上で朝を迎えたピィ、レェ、ブゥ、そしてノエル。
アーモンド「ちょっとー!あんた達ー!これはどういう事ー!」
ピィ「ん…何……?」
アーモンドの大声で目を覚ますピィ達。
グゥ「ど、どうなってるんですかねぇ??これは…。」
キィ「ど、どひぇ~~。夜に何があったの?」
ナッツ「その前になんであいつらあんなとこで寝てるんだ?」
レェ「なんだよ?皆んなしてこっち見て……って、なんか地面が遠く感じるんだが…?」
ピィ「はっ!そ、そうよ!この葉っぱこんなに高い位置にあったっけ?」
ブゥ「ひ、ひぃっ!高い所怖いよ~!」
ノエル「あれ…?木の枝がない…。」
昨日の夜に立てた支柱の枝がない事に気づくノエル。
その時ー。
アップル「ねぇ、ここに落ちてるのって支柱の枝?」
地面にはバラバラになった支柱の枝が散らばっていた。
ノエル「そ、そんな…。せっかく遅くまで起きて結んだのに…。」
ショックを受けるノエル。
アーモンド「とりあえずあなた達降りて来なさーい!」
ブゥ「こ、怖いよぅ。」
レェ「バカ、地面を見るな。葉っぱつたって降りれるだろ。」
葉っぱをつたって降りるピィ達。
アーモンド「いったいこれは昨日の夜何があったの?」
ピィ「私達は支柱になる枝を結んだ後葉っぱの上で寝てただけよ。枝が崩れたのも葉っぱが伸びてるのも気づかなかったわ。」
ナッツ「ふーむ。枝の結び方が甘かったか土への差し込み方が甘かったかどっちかかな。」
ノエル「そんな、枝はきつく結んだよ。本当だよ。」
ブゥ「うん。ノエルくんちゃんと結んでたよ。ねぇレェ。」
レェ「お、おぅ。」
アーモンド「支柱は仕方ないわ…。また建て直すしかないわね。」
キィ「ほんでこの葉っぱは何でこんな伸びたの?この葉っぱは何の種から生えたの?」
アーモンド「いいえ、これは自然と生えた葉っぱ…。…は、そうだ…。あの時も…。」
グゥ「あの時も…??」
アーモンド「前に話したじゃない。昔あなた達が寝ていた葉っぱがみるみるうちに伸びていったって話。それが今のベビーリーフになったって。そう、あの時もこんな感じだった。朝見るたびに大きくなってて…。」
ピィ「それって私達が葉っぱの上で寝たから伸びたって事?」
アーモンド「おそらく…。確証はないけど…。」
するとレェがあるものに気づく。
レェ「おいノエル見てみろ。朝顔が芽出してるぞ。」
ノエル「え?」
ナッツ「え?!もう?!」
朝顔の芽を見つめるノエル。
ノエル「わぁ…。小さい…。」
ピィ「私達がいたベビーリーフもこうやって土から生まれて大きくなったのよ。」
ノエル「凄い…。凄いね…。ベビーリーフもこんな小さかったんだ…。」
ピィ「そうね、凄いわね。」
優しく笑うピィ。
アーモンド「さ!朝ご飯食べたら急いで支柱建て直すわよ!朝顔も芽出ちゃったし!」
グゥ「そうですね。」
ぐ~……(お腹の音)
朝ご飯を食べ終え、作業を始めるピィ達。
ピィ達と交代で、今日はキィ、グゥ、アップルが支柱の建て直しと、夜遅くまでの作業を行う。
キィ「あ~あ。残念だね…。せっかくピィ達夜遅くまで起きて建てたのに。」
グゥ「確かにこの枝しっかり結んでありますよね。差し込み方も悪くないと思うのですが…。」
アップル「レェが寝相悪くて支柱にぶつかったんじゃないの?」
その時。
カラーーン!
長靴の入り口から枝が落ちてきた。
グゥ「風が強くてラッキーですねぇ。枝がどんどん手に入りますねぇ。」
キィ「う~~ん。風強いかな?あんま聞こえないけど。」
キィが耳を澄まして答える。
アップル「もしかしてこの落ちてきた枝が支柱に当たって倒れたのかしら?」
グゥ「むむっ。ありえますね。」
キィ「アップルあったま良い~!」
アップル「ふふん。まぁね。でももし本当にそうなら困ったわね。せっかく建て直してもまたぶつかるかもしれないじゃない。」
グゥ「今日僕達が夜作業する番ですから、交代で枝が当たらないよう見張ります?」
キィ「うん。そうしよっか。怖い話でもしながら盛りあがろ。」
その日の夜ー。
ピィが建てた小屋でくつろぐピィ、レェ、ブゥ。
レェ「交代で支柱を見張る?」
ピィ「そうするらしいわよ。降ってきた枝が支柱に当たるかもしれないからって。」
ブゥ「確かにあの辺枝が拾っても拾っても落ちてるもんね。」
レェ「ノエルはどこ行ったんだ?」
ピィ「朝顔の芽が気になって行っちゃったわ。あの子はまだ長靴の中に落ちたばっかだし、いろいろと発見だらけだからね。気になるんでしょ。」
その頃明日の朝ご飯の準備をするアーモンドとナッツ達。
ナッツ「生命の妖精?あのデブ達が?」
アーモンド「そうよ。思い出した。昔すぎて忘れちゃってたけど。」
ナッツ「だからピィ達が寝てた葉っぱがあんなに伸びたの?」
アーモンド「ええ。それに昔、ピィ達がいなくなってから植物の育ちが悪くなったわ。土からピィ達が離れたから…。今この長靴の中に太陽の妖精と生命の妖精、土の妖精の私がいるから植物は凄い勢いで育ってるのよ。まぁ植物に寿命はあるから、私達の力があってもベビーリーフが朽ち果てるのは変わらないけどね。」
ナッツ「じゃあアップルやピィ達の力をうまく使えば朝顔もすぐに育つんじゃない?」
アーモンド「そうね。問題は支柱ね。だいぶ時間かかるだろうから。ピィ達が寝て伸びた葉っぱも、そんなに大きくなるかわからないし。」
一方、朝顔の芽を観察するノエル。
ノエル「凄いな…。こうやって葉っぱが生えるんだ…。いつ花が咲くんだろう。」
ノエルは周囲の葉っぱを見渡す。
ノエル「これ全部土から生まれたんだ…。この葉っぱベビーリーフに持ち帰ったら、皆んなびっくりするだろうな…。」
その時。
ズズ…ズズ…。
突然地面が揺れる。
ノエル「な、なんだ?」
ノエルの近くにある葉っぱが上へと伸びていく。
ノエル「こ、この葉っぱは…グゥ達が寝てる葉っぱ…。」
ノエルの目に光るものが目に入る。
ノエル「あ、あの光は……。」
アップル「ふぁ~。眠い…。早く交代にならないかな。起きたばっかだけど。……っと!」
葉っぱを傘にして、降ってきた枝から支柱を守るアップル。
アップル「も~。キィったら怖い話してる途中で寝ちゃうんだから…。ふぁあ~~。」
地面からアップル達がいる葉っぱを見上げるノエル。
ノエル(あの光は…僕が長靴に入る時に見た光…。)
ノエル(あの光…。…もしかして…、もしかして…ピィ達が、太陽の妖精…なの…?でもピィはここには太陽の妖精はいないって言ってたし…。)
クッキー『お前騙されてるよ。』
ノエルはクッキーに言われた言葉を思い出す。
クッキー『もっと賢くなれ。ずるいやつに利用される。』
ノエル(もしかして僕はまた騙されてる…?また利用されてる…?いやそんなはずないよね…。ピィ達はずるく見えないよ…。でもあの光…。ピィ達は葉っぱを伸ばす力を持ってるっぽいし…。やっぱり太陽の妖精…?ベビーリーフの葉っぱが少なくなったのは、ピィ達がいなくなってからなのかな?えっと…。)
混乱するノエル。
ノエル(僕は何を信じたらいいんだろう…。どうしたら良いんだろう…。ボネ……。)
ボネ「ちくしょー!ノエルを返せーー!!太陽の妖精のバカーー!!!くそーー!!!」
第16話 マカロンの正体
おわり
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