クッキー「よい‥っしょっ!ふんっせっ‥!」
この日、クッキーは茎を登り、高い所からピンクのマカロンを探そうとしていた。
クッキー(おかしい。あれからもう7日も経つのにマカロンが帰ってこねえ。この間あんなに強い雨も降ったのに。何か事故にでもあったんじゃないか?)
しばらく登り、葉っぱの上で休憩するクッキー。
クッキー(ダメだ‥。どこを探しても見当たらない。誰に聞いても知らない。マカロン、どこ行っちまったんだ‥?何があったんだ‥?無事なのか‥?)
クッキー「ふぅ‥‥。なんだか‥‥。前見た時より葉っぱ少なくなったなあ‥‥。」
クッキーは高い所から葉っぱを見下ろし、そう思った。
その時。近くで何やら声が聞こえた。
ノエル「何でさ!僕たちが先に見つけたんだぞ!」
ボネ「そうだ!ここは誰の縄張りでもないじゃん!」
コオロギの少年「うるせえな!あっち行けよドロボー小人!」
ドン!!
コオロギの少年に強く押され、小人の少年ボネは転んでしまった。
ボネ「いた!!」
ノエル「ボネ!!大丈夫?」
ボネ「いたたた‥。くっそ!」
ノエル「何て事するんだよ!」
コオロギの少年「ポテヂィが言ってたぞ!ノエルとボネがうちの葉っぱ盗んだって!」
ノエル「僕たち盗んでないよ!」
クモの少年「本当かよ〜!お前ら小人は嘘つきだからな!」
コオロギの少年「ポテヂィが小人達には関わらない方が良いって言ってたぜ。」
クモの少年「そうだそうだ〜。お前達羽もないし力もないからすぐ皆んなの葉っぱ盗もうとする〜。」
コオロギの少年「ドロボ〜ドロボ〜。」
クッキー「おい!お前たち!ダメだろイジメなんてしちゃ!」
大きな体のクッキーに怒鳴られ、ビクッとするコオロギとクモの少年。
コオロギの少年「だ、だって‥‥、ポテヂィが小人はすぐに嘘をつくし皆んなの葉っぱを盗るって‥‥。」
クッキー「その小人達はやってないって言ってるだろ。それに、誰の縄張りでもない葉っぱを選んでいた。嘘をつくようなやつらじゃない。」
クモの少年「う‥、う‥‥。」
コオロギとクモの少年はその場から逃げ出した。
クッキー「大丈夫か?」
クッキーはボネの手を掴み引っ張り上げた。
ボネ「うん‥。あ、ありがとう。」
ノエル「ありがとう。カブトムシのお兄ちゃん。」
クッキー「いいって。なぁお前達。ピンク色で耳が大きくてちょっと太った生き物見なかったか?」
ボネ「見てないよ?ねぇノエル。」
ノエル「うん。見てないよ。」
クッキー「‥‥‥そっか。わかった。じゃあな。」
そう言ってクッキーは立ち去った。
ノエル「ボネ良かったね!今日はご飯食べれるよ!」
ボネ「あのカブトムシのお兄ちゃんのおかげでここは僕たちの縄張りだね!」
クッキー「なぁマカロン、何でお前そんな耳がでかいんだ?」
マカロン「これはね、困ってる子や悲しんでる子の声を聞くためについてるみたい。」
クッキー(マカロン、困ってるやついたぞ。助けに来てやれよ‥。
葉っぱだって少なくなってきてるし、あいつらが大人になる頃、ベビーリーフはどうなっちまうんだ‥‥?)
第5話 ベビーリーフの未来
おわり
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